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意思決定の質を高める3つの原則

はじめに

人生は意思決定の連続です。朝、何時に起きるか。何を食べるか。どのプロジェクトに時間を使うか。誰と時間を過ごすか。

これらの意思決定の質が、積み重なって人生の質を決めていきます。しかし、多くの人は意思決定そのものを振り返る機会が少なく、結果に一喜一憂したり、他人と比較して不幸を感じたりしています。

本記事では、意思決定の質を高め、QOL(生活の質)を向上させるための 3つの原則 を紹介します:

  1. 相対比較をしない
  2. 結果ではなく意思決定の瞬間に焦点を当てる
  3. 自分が最も大事にしている1次元の軸を見つける

この3つを意識することで、より迷いなく、そして自分らしい選択ができるようになります。

原則1:相対比較をしない

「他人と比較することからすべての不幸は始まる」

他人と比較することからすべての不幸は始まる

これは伊坂幸太郎の小説「777」(2023年)に登場する言葉です。シンプルですが、本質を突いています。

私たちは日常的に他人と自分を比較してしまいます。給料、役職、フォロワー数、結婚相手、子供の成績…。しかし、この比較こそが不幸の源泉です。

比較してよいのは過去の自分だけ

具体例で考えてみましょう。

比較の罠にはまった視点:

本質に目を向けた視点:

実際にはAの方が良い結果なのに、相対比較をすることで、Bの方が幸福度が高くなってしまう。これが比較の問題点です。

比べてよいのは過去の自分だけ。 昨年の自分より成長したか、昨日の自分より前に進んだか。これだけに集中すれば、他人の成功は自分の不幸になりません。

比較の世界を広げることで比較の無意味さに気づく

そもそも、私たちが比較している世界は狭すぎます。

比較している世界が狭いことを認識し、広い世界を見ることで、逆に比較に意味がないことを悟ることができます。

また、「公平」という幻想にも縛られないことです。世の中は公平ではありません。生まれた国、時代、家庭環境、才能、運…すべてが異なります。公平を求めることは、不幸への近道です。

原則2:結果ではなく意思決定の瞬間に焦点を当てる

全ては意思決定の瞬間に決まっている

意思決定をした瞬間、その後の道筋はほぼ決まっています。振り返るべきは結果ではなく、 意思決定の質 です。

結果には、さまざまなノイズや偶然が絡み合います。意思決定が結果に関与する度合いは大きいものもあれば小さいものもあり、少なくとも意思決定の質が100%の再現性をもって同じ結果をもたらすわけではありません。

意思決定と結果のズレがもたらす問題

パターン1: 間違った意思決定が偶然成功した場合

意思決定の失敗に気づけず、振り返りができないと、成長や改善の機会をロスします。次回も同じ間違った意思決定をして、今度は失敗するかもしれません。

パターン2: 正しい意思決定が失敗した場合

他の要因でうまくいかなかったとき、過度な自責に陥ると、本来正しかった意思決定を変に振り返って、次回以降間違った意思決定をしてしまいます。

期待値が最大となる意思決定ができたかどうか

期待値が最大となる意思決定ができたかどうか

これが本質です。結果に対して一喜一憂することには意味がありません。結果を踏まえて、 過去の意思決定がどうだったか? という観点で振り返ってこそ、真の学びを得られます。

ポーカーで考えてみましょう。手札が良く、期待値が高い状況でベットしたとします。しかし、相手が運良く逆転して負けた。この場合、結果は負けですが、意思決定は正しかったのです。同じ状況が100回あれば、70回は勝つかもしれません。

逆に、手札が悪いのに無理なベットをして、たまたま勝った。これは結果は成功ですが、意思決定は間違っています。

人生の意思決定も同じです。結果ではなく、その時点で得られる情報から期待値を最大化する選択ができたかどうか。それだけを振り返りましょう。

原則3:自分が最も大事にしている1次元の軸を見つける

意思決定は最終的に1次元で行われる

私たちの人生には、多軸の選択肢が常に存在します。仕事、家族、健康、お金、趣味、友人関係…。

しかし、最終的に「AかBか」を選ぶとき、私たちは無意識に 何かひとつの1次元の軸 に変換して比較しています。

自分が大事にしている1次元の軸が何かを知ることで、意思決定のスピードと質が上がります。迷いがなくなり、後悔も減ります。

訓練法:過去の意思決定を言語化する

自分の軸を見つけるための訓練法:

  1. 過去の直感的な意思決定を振り返る:なぜそうしたかを言語化してみる
  2. 一貫した意思決定プロセスを持つ:自分のパターンを認識する
  3. プロセス自体を振り返る:意思決定プロセスが良い結果をもたらしていないと気づいたら、そのプロセス自体を見直す

実践例:「仕事と約束、どちらが大事?」

約束をキャンセルして残業して帰ったとき、パートナーに「私と仕事どっちが大事なの?」と詰められたとします。

一見、パートナーと仕事は同じ数直線上に乗らないので比較できないように思えます。しかし、こういう 異なる軸の取捨選択 は、人生において日常的に発生します。しかも、実際には2軸ではなく多軸です。

最終的には、自分が大事にしている 何かひとつの1次元の指標 に変換・写像することで、比較可能になります。

例:「2人の幸福度の総和」を最も大事な1次元の指標とした場合

パートナーと会う時間を増やす

仕事を取る

この場合、 残業は断ってパートナーと会うのが正しかった という結論になります。

ちなみに、あまり怒らないパートナーだと、「パートナーの怒り」が -40 ではなく -10 程度になり、仕事を取る方が正しいという結論になるかもしれません。

積み重ねがQOLを向上させる

実際には要素がたくさんあり、意思決定は難しいのですが、少なくとも思考プロセスをこう持つことで、 振り返りやすくなります

こういうことを繰り返すことで意思決定の質が上がります。 「意思決定の質が高い」とは、つまり「自分が一番大事にしていることの期待値を高くしている」 ということです。

積み重ねることで、確実にQOLを増大できます。

まとめ

3つの原則の相互関係

この3つの原則は、それぞれが独立しているようで、実は深く関連しています。

  1. 相対比較をしない → 自分の軸に集中できる
  2. 意思決定の質に焦点 → プロセスを改善できる
  3. 1次元の軸を持つ → 迷いなく決断できる

相対比較をやめることで、他人の成功に惑わされず、自分の軸に集中できます。結果ではなく意思決定の質に焦点を当てることで、運や偶然に左右されず、プロセスを改善できます。そして、自分が最も大事にしている1次元の軸を持つことで、多軸の複雑な選択肢の中でも、迷いなく決断できるようになります。

今日から実践できること

まずは小さなことから始めましょう:

意思決定の質を高めることは、一朝一夕にはできません。しかし、意識して訓練を続けることで、確実に人生の質は向上していきます。

あなたが一番大事にしているものは何ですか?その期待値を最大化する意思決定を、今日から始めてみてください。


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